2024.08.01
こんにちは!
ワダハウジングの纐纈です。
放っておくと危ない結露!
結露は健康への悪影響です!
何故、夏に結露の話をするかというと「夏型結露」があるからです。
住宅内外の温度差等で壁面内や基礎部分で発生する結露の事を言います。
例えば、住宅の基礎が夜になって冷え、そこに湿った空気が触れて結露します。
新築住宅では木材がまだ完全に乾いていないことが多いです。
完全に乾かしてしまうと、釘やビスを打ち込んだ時に木材が割れてしまうからです。
この渇いていない木材は温度が高くなると中に含まれていた水分が滲み出て、温度の低い個所で結露することがあります。
結露と聞くと冬のものという印象があると思います。
昔の家で寒い日に、窓ガラスに水滴が付くのはよくありますよね。
最近、私が本当に怖いのは冬じゃなくて夏に起きる結露だなと思います。
夏型結露がなぜ恐ろしいかを説明します。
冬型の結露は表面、つまり目に見えるところで起こるのに対して、夏型の結露は見えないところで起こることが一般的だからです。
冬の場合は室内では料理したり、人の呼吸などから水分がでています。
その水分は水蒸気となって壁を通過して中に入ろうとします。
このとき外は寒いですから、柱の外側辺り外壁に近いあたりで結露を起こします。
これが冬型結露になります。
一方で夏型結露は、その逆になります。
夏は室内の方が温度が低いです。
外気温は35℃~40℃で、湿度は70%〜80%ぐらいでも、室内は25℃~27℃ぐらいに冷やしている事が多いと思います。
そうすると外と室内では10℃以上の温度差になります。
夏の場合は外の湿気が室内に入ろうとします。
室内の表面の温度が低くなりすぎたら夏でも結露が発生します。
それも目に見えない壁の中で発生するのでやっかいです。
結露は条件が揃わないと発生しません。
①水分(水蒸気)があること。
②は温度差。外が35℃~40℃、室内が25℃~27℃というように温度差があることで、結露が発生します。
対策としては外側の水蒸気が入らないようにする。
万が一水蒸気が入ったら、出て行くようにしておく必要があります。
写真の白色の紙を透湿防水シートと言います。
透湿防水シートというのはすごい発明で、外部から水は入れないようにしながら、室内側からの湿気だけを抜くという優れものになります。
スキーウェアにゴアテックスって素材がありますが、あれに似ています。
雨水は入らないし蒸れないというものです。
結露が発生したまま放置してしまうと、たまった水分によりカビが発生しやすくなります。
カビは専門用語で「菌類」または「真菌」などと呼ばれています。
カビの一部は人体にとって有害な毒素を産みだしています。
この毒素は「マイコトキシン」といい、吸い込むと肺の病気など引き起こす事があります。
又、カビの胞子がアレルギー症状を引き起こす事もあります。
夏に咳や発熱などの症状が出る「夏型過敏性肺臓炎」
これは「トリコスポロン」というカビの胞子がアレルギー反応の原因と言われています。
悪化すると肺炎になり、命を落とす事になりかねません。
カビの胞子はダニの餌になるので、カビが発生した場所にはダニも発生しています。
ダニも危険です。
ぜんそくや鼻炎などのアレルギーを引き起こす原因となります。
よって、結露の放置はカビ、ダニの発生に繋がり人の健康に悪影響になります。
木は難分解性のリグニンやセルロース、ヘミセルロースといった成分で出来ています。
これを分解する事が出来るのが「木材腐朽菌」
つまり木を腐らせる菌です。
この菌はカビと同じく湿度の高いところを好みます。
結露を放置して水分の多い状態が続くと、住宅の柱や床、そして目に見えない部分を腐らせてしまう危険があります。
さらに、この「木材腐朽菌」によってできた成分はシロアリが好みます。
腐った木がシロアリの被害を受けるのはこの成分の為です。
さらに、木は腐ると変色して見た目が悪くなります。
又、住宅の耐久性が著しく劣化します。
このように、結露を放置する事で住宅の劣化が早くなる原因になります。
結露があったらこまめにふき取りをしてください。
そうはいっても壁の中で発生していたらふき取ることもできません。
結露を防ぐのに有効な方法は断熱です。
断熱は熱の流れを制御します。
熱が入りやすい場所や逃げやすい場所を重点的に断熱することで結露防止にもつながります。
既存の住宅ならまずは「窓」の断熱を強化する事をお勧めします。
部屋の内側に取付する「内窓」や「ガラス交換」メーカーによっては壁を壊さずに新品に出来る「カバー工法」などもあります。
上記写真はエクセルシャノン社のカバー工法シャノンdeリフォーム
新築住宅を建てられる方は断熱性能に目を向けてください。
断熱性能をあげるには断熱材の性能や厚み、窓も重要になります。
断熱性能は数字で表す事ができます。
UA値という値です。
TVのCMでも流れているので知っている方も多いと思います。
数値が小さければ小さいほど断熱性能が良いということです。
目安はUA値0.46以下の断熱等性能等級6以上が良いと思います。
とても少ない冷暖房エネルギーで快適に暮らせます。
モチロン性能は上げられるなら、上げた分だけ夏は冷房の効きがよくなるので涼しく、冬は熱が逃げないので暖かくなる効果があります。
しかし、その分新築住宅の工事費もどんどん高くなります。
総支払額や月々の支払額+新築住宅で暮らしていくランニングコストの折り合いで決めてください。
ただし、UA値は最低でも0.6以下の断熱等性能等級5を推奨します。
というのも、2030年にUA値0.6の断熱等性能等級5の義務化が予定されています。
新築したけど数年後に、断熱性能が国の基準以下になってしまう新築住宅では悲しいですよね…
その他に結露を防ぐには断熱性能だけでなく、断熱材の構成も重要になります。
これは屋根や壁、床など断熱材が入る場所ごとに、結露計算をして結露しないことを確かめる必要があります。
これは、詳しく説明するとちょっと難しいので割愛します。
断熱性能以外では、気密性能も大事になります。
気密性能は住宅の隙間をできる限り減らすということになります。
隙間があるとそこから、夏は高湿度な暖気が入り、冬は冷たい冷気が入ってきてしまいます。
特に夏の高湿度な暖気が入ってきた場合、エアコンで冷やされた空気と入り混じることで、たちまち結露してしまいます。
気密性能も数値で表すことができます。
C値という数字です。
UA値と同じく数値が小さければ小さいほど気密性能が良いということです。
目安はC値1.0以下になります。
この理由は一般社団法人 北海道建築技術協会の出典によります。
C値1.0で第三種換気の自然空気口から50%しか給気がされないようです。
それならC値は限りなく0に近い方が良いのでは?と思ってしまいます。
そこで一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会 略してHEAT20の見解を参考にしています。
HEAT20が出版したHEAT20設計ガイドブック2021 正しい住宅断熱化の作法の中にHEAT20からの提案があります。
内容は「推奨値であるC値で0.7±0.2(㎠/㎡)については、もちろん、さらに0に近づけて悪いことはありませんが、このレベルでの性能の競争に意味はなく、0近くを達成するために少なくない労力やコストをかけているなら、その投資を他にふり向けた方がいいのではないかと考えます。」
とあります。
こんな見解から目安をC値1.0以下としています。
結露はカビ、ダニの発生だけでなく住宅の劣化を早めてしまうことにもなります。
新築住宅なら高気密高断熱の新築住宅を建ててください。
既存の住宅の場合は、目に見える結露はこまめにふき取る。
もしくは、エアコンを掛ける部屋だけ断熱をしたり、一番の弱点である窓を交換もしくは二重窓にすることも有効です。
夏型結露から健康と住宅の耐久性を守ってくださいね。
目次
ワダハウジング和田製材株式会社
・一級建築士
・一級建築施工管理技士
・一般社団法人みんなの住宅研究所会員(会員番号:200019)
纐纈和正
家づくりは人生のうち一度あるかどうか。
どんな家がいいか、お金のこと、土地のことなど、わからないことだらけなのが当たり前です。
みなさん同じです。そういった場合は、まず専門家に聞きましょう。
ご来店またはホームページ、インスタDMなど、
お客様の使いやすい方法でご質問ください。
私たち住まいのプロが、お客様の疑問や不安に正直にお答えいたします。
しつこい営業は致しませんので、その点もご安心ください。
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しかし、家はイメージだけで決めてはいけません。
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