2024.06.16
こんにちは!
ワダハウジングの纐纈です。
太陽光発電の発電量は各種メーカーから発電量のシミュレーションを出してくれます。
住宅を建てる時の日射量の観測地点に一番近い場所でシミュレーションをしてくれるので、信憑性が高く実測値ともあまりズレていません。
外気温が高すぎたり、雨や曇りの日が例年より多い場合、まれに大きなズレがある場合もありますが…
上記は弊社モデルハウスの太陽光のシミュレーションです。
実はこのようなシミュレーションを出してもらわなくても、太陽光発電の発電量は自分で簡単に計算することが出来ます。
目次
弊社モデルハウスの写真
弊社のモデルハウスには太陽光発電が6kW載っています。
完璧な日照条件と外気の温度が整ったときに100%発電して時に6kW創れます。
これが1時間続くと6kWhで2時間続くと12kWh発電することになります。
しかし、そんな完璧な日照条件と外気の温度が整うことは現実ではありえません。
なので、上記のシミュレーション表でも5月が一番発電しています。
普通に考えると太陽がサンサンと照りつける8月の方が発電しそうなものですが、外気温が高すぎて発電効率が落ちてしまうので、このような結果になります。
太陽光の発電量の計算は南に取付をしていることを想定しています。
太陽光は屋根の勾配や太陽光を取付する方位によって発電量が変わってしまうからです。
屋根の勾配が強い住宅の方が冬場はよく発電します。
屋根の勾配が緩い住宅だと夏場によく発電します。
上記のイラストのように夏と冬では太陽の日射角度が違うからです。
屋根の勾配が強いと日射角度が低くても太陽光に日射があたる面積が増えるので発電します。
屋根の勾配が緩いと冬場に日射が当たる量は減りますが、夏は日射角度が強いのでよくあたります。
0.5寸勾配と4寸勾配の屋根で比べた場合
4寸勾配の屋根の方が年間でおおよそ1100kWh多く発電します。
1日にすると0.9kWh分多く発電する計算になります。
ちなみに「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム」で計算をすると、屋根の勾配は20度ぐらいが一番発電量が多くなります。
3寸勾配もしくは4寸勾配が20度に一番近い角度です。
方位によっての発電量は、上記の方位角倍率図を見ると日の出と日の入りが分かりやすいので、コチラを参考にしてください。
南に取付している方が、春秋分、夏至、冬至、いつの時期でも東や西に取付するより長く太陽の光が届くので、より多く発電します。
北に取付した場合は、夏至の時期はかろうじて朝と夕方は発電しますが、冬至ではほぼ発電しません。
このことから太陽光発電は南に取付をするのが理想です。
おおよそですが、一日の平均した発電量は太陽光のkW数の約3倍。
弊社のモデルハウスと同じ6kWなら一日で18kWh発電することになります。
一般的な4人家族の1日の電力消費量は、約10kWh前後と言われています。
この10kWhという数値は、1年365日の単純平均です。
夏と冬など時期によっても1日の電力消費量は変わります。
夏の暑い日や冬の寒い日にエアコンなどの空調設備を利用すると、15kWhくらいまで1日に利用する電力消費量は上がることもあります。
逆に4月~5月、10月~11月などは空調設備を利用しなくても、そこそこ快適に過ごせていると思います。
このような事を踏まえるとだいたい10kwhになってきます。
よって太陽光を3.4kw載せれば3倍の10.2kwhになりおおよそ1日まかなえる計算になります。
おおよそですが、年間の平均した発電量は太陽光のkW数の約1,200倍。
弊社のモデルハウスと同じ6kWなら年間で7,200kWh発電することになります。
ここでは地球環境を踏まえてどれだけすごい事なのか説明したいと思います。
令和3年度に1世帯が1年間に消費したエネルギーは30.9GJ(ギガ・ジュール)だそうです。
GJ(ギガ・ジュール)って聞いてもどれだけのエネルギーとなってしまいますよね?
GJ(ギガ・ジュール)はエネルギー量の単位で、10億(10の9乗)ジュールになります。
単位が大きいので良く分からないですよね?
cal(カロリー)に変換すると少し分かりやすいかもしれません。
1J(ジュール)≒0.239cal(カロリー)なので、30.9GJ(ギガ・ジュール)=7,385,277kcal(キロカロリー)になります。
一人一日の食事量が2,000kcal(キロカロリー)なので、約3,692日分=約10年分の食事量になります。
とてつもないcal(カロリー)を1年間で消費していることになります。
ちなみに2,000kcal(キロカロリー)は70㎏の体重の人が富士山の登山3回分のエネルギー量だと言われています。
30.9GJ(ギガ・ジュール)=7,385,277kcal(キロカロリー)だと富士山の登山11,077回相当です。
話を戻しまして、弊社のモデルハウスと同じ6kWなら年間で7,200kWhの発電をGJ(ギガ・ジュール)に変換します。
1kWh=3.6MJ(メガ・ジュール)なので
7,200kWh=25,920MJ(メガ・ジュール)=約25.9GJ(ギガ・ジュール)となります。
令和3年度に1世帯が1年間に消費したエネルギーは30.9GJ(ギガ・ジュール)のおおよそ83%を太陽光でまかなえることになります。
これは自分の住宅で消費した場合の計算になります。
住宅だけでなく、発電所ベースで考えると更にエネルギーの節約になっています。
その前に、家庭で使用するエネルギーには一次エネルギーと二次エネルギーと2種類ありますので、その説明から…
石油、天然ガス、石炭、薪、水力、原子力、風力、潮力、地熱、太陽光、牛糞など、自然から直接採取できるエネルギーのことです。
国が輸入するエネルギー量にも関わってきます。
貿易赤字、CO2の排出量に直結します。
一次エネルギーを変換・加工したもののこと二次エネルギーをいいます。
電気、各種温度の熱エネルギー、ガソリン、灯油、重油などの石油製品、都市ガス、水素、コークスなどが具体例になります。
家庭や一般的な会社で使うエネルギー使用量で光熱費の部類に入ります。
例として灯油〇〇ℓ、ガス〇〇㎥、電気〇〇kWhなど…
家庭で使用する主なエネルギー電気、ガス、灯油には、PEF(Primary Energy Factor)一次から二次への換算係数を掛けるようされています。
電気2.7倍
ガス1.0倍
灯油1.0倍
上記のような係数を掛けなければいけません。
これはつまり、家庭で「1」のエネルギーを使った場合に、電気をつくるときの一次エネルギーはその2.7倍にもなるということです。
発電や送電ロスによって、実に1.7倍ものエネルギーが熱となって途中で失われてしまっています。
このPEF(Primary Energy Factor)の数値が大きければ大きいほど、ロスが大きく非効率なエネルギーと言えます。
逆に、ガスや灯油などは家庭の中で燃やしてそのまま使えるので1.0倍になっています。
これだけ聞くと電気じゃなくて、ガスや灯油などを使用した方が良いと思うかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
暖房器具や給湯器には暖房効率や給湯効率が数値化されています。
数値が大きいほど効率よく暖房出来たり、給湯できます。
上記はダイキンさんのエアコン効率の一例
主だった暖房器具のおおよその効率
エアコン 1~7(機種によって違ってきます)
エアコン以外の電気 1
ガスファンヒーター 約0.85
灯油ファンヒーター 約0.85
になりますが、これだけだとよく分かりません。
そこで、暖房負荷で説明したいと思います。
上記画像は東芝さんのエアコン
室内で暖房を使っているときに、一定の温度に保つために暖房しつ続ける熱負荷の事を言います。
室内の暖房の熱は、外気が冷えてしまっていることで外に逃げてしまいます。
室内の温度を一定に保つことを考えた場合、逃げていった熱と同じ量の熱を供給しなければなりません。
単位はkWh/㎡年もしくはGJ/棟がよく使われます。
それでは、暖房負荷を利用して比べてみたいと思います。
計算条件
暖房負荷70kWh/㎡(年間の暖房負荷なので、1年間で1㎡あたり70kWh暖房が必要な住宅)
床面積120㎡(36.3坪)
エアコンの効率3(1~7の中間値よりも少し効率が悪いエアコン)
ガス・灯油ファンヒーターの効率0.85
一次エネルギー換算係数エアコン2.7倍
一次エネルギー換算係数ガス・灯油1.0倍
上記の条件で「エアコン」と「ガス・灯油ファンヒーター」で二次エネルギーと一次エネルギーを計算します。
まずは二次エネルギーです。
数字が大きいほどエネルギーを沢山使用します。
エアコンの二次エネルギー
暖房負荷70kWh/㎡÷エアコンの効率3×120㎡=約2,800kWh
ガス・灯油ファンヒーターの二次エネルギー
暖房負荷70kWh/㎡÷ガス・灯油ファンヒーターの効率0.85×120㎡=約9,882kWh
おおよそ3.5倍ほどガス・灯油ファンヒーターのほうがエネルギーを沢山使用しています。
続いて一次エネルギーです。
こちらも数字が大きいほどエネルギーを沢山使用します。
エアコンの一次エネルギー
二次エネルギー約2,800kWh×一次エネルギー換算係数エアコン2.7倍=≒7,560kWh
ガス・灯油ファンヒーターの一次エネルギー
二次エネルギー約9,882kWh×一次エネルギー換算係数ガス・灯油1.0倍=約9,882kWh
換算係数を掛けてもまだガス・灯油ファンヒーターのほうが1.3倍ほど沢山エネルギーを使用しています。
ここでやっと発電所ベースででのエネルギー消費量に戻ってこれました。
つまり、弊社のモデルハウスと同じ6kWなら年間で7,200kWh発電
1kWh=3.6MJ(メガ・ジュール)なので7,200kWh=25,920MJ(メガ・ジュール)=約25.9GJ(ギガ・ジュール)となります。
そこに、電気の一次エネルギー換算係数2.7を掛けると、25.9GJ(ギガ・ジュール)×2.7=69.93GJ(ギガ・ジュール)
住宅では25.9(ギガ・ジュール)の電気の節約になっていますが、発電所では69.93GJ(ギガ・ジュール)の節約になっています。
家庭と地球環境にとてもやさしいのが太陽光発電です。
上記でも書きましたが、令和3年度に1世帯が1年間に消費したエネルギーは30.9GJ(ギガ・ジュール)だそうです。
3kWの太陽光の場合
年間1,200倍発電するので3kW×1,200=3,600kWh
1kWh=3.6MJ(メガ・ジュール)なので、3,600kWh=12,960MJ(メガ・ジュール)=約13.0GJ(ギガ・ジュール)となります。
1世帯が1年間に消費する30.9Gjの約42%住宅内で使用する電気をまかなえます。
計算は省略しますが、2kWの太陽光でも約28%、1kWの太陽光でも約14%まかなうことが出来ます。
ここまでの説明は太陽光発電を住宅の南面に載せた場合で紹介しています。
ここまで説明した太陽光発電の発電量計算は太陽光発電を南に取付した場合の計算になります。
デザインや間取り、敷地の都合で東西にしか太陽光を載せられない場合もあります。
その時は、約8割減で計算をしてください。
つまり一日の発電量はkW数の3倍ではなく2.4倍
年間の発電量がkW数の1,200倍ではなく960倍
上記で計算をするとおおよその実測値に近くなります。
東西面に太陽光を載せると発電効率が落ちてしまいますが、悪いことばかりではありません。
朝の仕事に行く前の時間に発電していたり、夕方、住宅に帰った時間でも発電していることもあります。
住宅内にいるときに発電していたら、電気代が掛かりません。
共働きで昼間に住宅内にいなければ、余った電気は売電になります。
令和6年度の場合、16円/kWhです。
電気を購入する金額は中部電力のスマートライフプランの場合、朝と夕方は28.61円/kWhとなっています。
単純に電気使用量料金だけを比べた場合、売ったら16円ですが買ったら28.61円なので、太陽光で発電した電気を使えば12.61円分お得になります。
(実際には「基本料金」「燃料費調整額」「再エネ賦課金」が上乗せされるので、買う金額はもっと高くなります)
太陽光は発電量に応じて載せるkWを決めるとよいです。
そして、そんなに少なくても載せないより、載せた方が絶対にお得!
自分で購入するのが理想ですが、リース契約でもいいので載せてください。
昼間に太陽光で発電した電気でお湯を沸かす「おひさまエコキュート」を使用する場合は4kWあるとそこそこ余裕でお湯を沸かせます。
電気自動車を太陽光発電で充電する場合、年間10,000km走るなら+で太陽光を1kWあるとよいです。
夏のピーク時を太陽光でまかなうなら2.8kWで十分です。
冬のピーク時を太陽光で全てまかなうなら6.5kWは必要になります。
1つの目安にしてください。
目次
ワダハウジング和田製材株式会社
・一級建築士
・一級建築施工管理技士
・省エネ建築診断士(エキスパート)
・住宅外皮マイスター
・一般社団法人みんなの住宅研究所会員(会員番号:200019)
・既存住宅状況調査技術者
纐纈和正
家づくりは人生のうち一度あるかどうか。
どんな家がいいか、お金のこと、土地のことなど、わからないことだらけなのが当たり前です。
みなさん同じです。そういった場合は、まず専門家に聞きましょう。
ご来店またはホームページ、インスタDMなど、
お客様の使いやすい方法でご質問ください。
私たち住まいのプロが、お客様の疑問や不安に正直にお答えいたします。
しつこい営業は致しませんので、その点もご安心ください。
家を考え出す時は、まずは、イメージやデザインから興味を持たれる方が大半です。
しかし、家はイメージだけで決めてはいけません。
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