2024.12.16
こんにちは!
ワダハウジングの纐纈です。
住宅の間取りを考える時に自分の中でルールを持つようにしています。
ルールがないと収拾がつかなくなり、住宅が無駄に大きくなったり、構造が弱くなったり、凹凸が多く無駄に冷暖房費が余分にかかる住宅になったりします。
鉄骨造や鉄筋コンクリート造は、柱が四隅にある四角のブロックを組み合わせて間取りを作成するのが基本になっています。
これは、柱が無いと構造的に地震や台風に耐えられないからです。
しかし、鉄骨やコンクリートよりも強度が小さい木造で、四角のブロックを組み合わせて設計する方はかなり少ないように思います。
それは、四角のブロックを組み合わせて設計をすると、柱が邪魔で自由に出来ないなどと言う方がみえます。
私としてはそんなことはないと思っています。
建築士の資格試験で行ったとおり、基本に忠実に四角のブロックで設計した方がメリットがあると思います。
四角のブロックで設計をしないと、無駄に太い柱、無駄に太い梁があることで天井の高さが確保できなくなったり、長い材料や太い材料が必要になり余分なコストが掛かることが多々あります。
又、住宅の高さが高すぎると不安定に見えてしまいます。
少し高さを抑えた方が重心が低くなり、地面との距離が近くなるので、安心感が生まれ落ち着きのある印象を与えることができます。
その他にも間取りを作成する時にルールが守れるように、チェックリストを用いながら抜け漏れがないようにしています。
それでは、私の間取りルールを紹介したいと思います。
目次
家を大きくすればするほど、材料が余分に必要になります。
その分だけお金がかかってしまいます。
小さな家で要望をなるべく詰め込むので、無駄なスペースは削らないとご要望叶えることが難しいことが多いです。
起きている時間に一番長く過ごすのがLDKです。
家の広さを感じるのはLDKで日当りがよく明るいとより広さを感じます
でも、オシャレにしたいので、目に入るものを少なくしたいです。
収納する場所も一緒に考える必要があります。
パッシブデザインとは、機械に頼らず太陽の光や熱などの自然の力を利用する設計です。
住宅に自然エネルギーを利用することで、省エネルギーな生活が実現できます。
具体的には、南の窓は大きく取り、冬の暖かい陽射しが沢山取り込めるようにします。
夏の強烈な日差しは、軒や庇、もしくは外付けのシェードかハニカムブラインドなどで遮ります。
東西北面は太陽の高度が年中低くいので、軒や庇では防げません。
よって、極力小さくします。
ただし、良い景色がある面には大きな窓を設けたいので、その場合は外付けのシェードかハニカムブラインドなどを必ず設置して、夏の強烈な日差しを防ぎます。
住宅の中で人の導線が単調だと飽きてしまいます。
住宅の中をぐるぐる回れるような導線があると家事などの導線が短くなるだけでなく、いつもと違う導線になり少し楽しくなります。
例えばLDKに入る入口を2ヶ所にすることで廊下や洗面室、脱衣室などを回遊できます。
年齢が高くなるにつれて2階にあがるのが大変になります。
なるべく1階を充実させて、1階だけで暮らせるようにするのが理想です。
そうはいってもなかなかLDK+1部屋をとれない敷地もあります。
そんな時の為に「2.LDKの大きさ、日当り、収納」の方を重視しています。
1階に寝室がとれない場合は2階にとるしかありません。
ここでLDKが広いとリビングを「寝室」に転用させることが出来ます。
簡単に言うとLDKを1DKにリフォームすることです。
よって、優先するのは水廻りや収納になります。
寝室はLDKを広くしておけば、後でどうにかできるので優先度は低いです。
玄関や玄関ホールは通り過ぎるだけのスペースです。
渋滞するのは朝だけなので、広くする優先度は低いと思います。
そうは言っても玄関が広いと高級にみえるのも事実です…
玄関は散らかりやすい場所なのでシューズクロークがあると理想的です。
靴だけでなく冬場のコートや傘なども玄関に置きたいところです。
シューズクロークでなくても良いので、収納があると夏と冬のシーズンで靴を入れかえるなどの整理ができて使いやすくなります。
流行なのか玄関に入ったらいきなりリビングやLDKなどという住宅もあります。
視線が抜けることで広さを感じるので、畳数以上の広さを感じます。
ただし、夏だと玄関を開けるたびに外の熱気が入ります。
冬は逆に外の寒い冷気が入ります。
玄関が開くたびに暑い、寒い、早く閉めてとなってしまいます。
当然、冷暖房機器に負荷がかかるので、電気代も増えてしまいます。
私は風除室的な配置をすることをご提案します。
風除室とは、外の冷気や熱気が入るのを妨ぎ、内の室温を保つために設置される、空調による冷暖房効果を低下させないための室のことです。
分かりやすいところですと、イオンやスーパーなどの入り口も風除室になっています。
自動ドアで一回小さなスペースに入り、もう一回自動ドアを通ることで中に入ります。
上記写真のようなイメージの場所です。
玄関からLDKに入る前に必ず扉を設けます。
その扉があることで玄関とホールが風除室的な役割を果たしてくれます。
更に、扉があるとLDKで多少だらしない恰好をしているときに来客があっても着替えることができます。
玄関に入っていきなりLDKのような間取りだと、気を抜いた格好ができないデメリットもあるので注意してください。
LDKは起きている時間では一番過ごす時間が長い場所になります。
これは育ってきた環境やライフスタイルによって使い方が分かれるところです。
一概にLDKとして提案するのではなく、リビングだけ仕切るL-DKだったり、キッチンだけ仕切るLD-K、全て仕切るL-D-Kなのか要望を伺います。
ただし、仕切るとそれだけ余分なスペースが必要になるのと、開放感が薄れるので少なくなったのも事実です…
ワダハウジングではリビングとダイニングの天井高を高くしています。
構造材である梁を均等に出して、階の高さを変えずに天井の高さだけを高くします。
更に、他の部屋の天井の高さまであるハイドアやH2200のハイサッシを使い開放感を与えています。
ただし、全ての部屋の天井を高くするわけではありません。
高い天井と低い天井の両方を造り、開放感がある場所と落ち着きがある場所と分けています。
低い天井の方が睡眠の質が良くなるとの研究結果もあります。
テレビとソファの距離、ダイニングテーブルのサイズ、カップボードのサイズはLDKなのか、L-DKなのかで配置が変わります。
収納量に応じても変わってきます。
パントリーがあるならカップボードは180㎝でもよいと思いますが、パントリーがないともう少し大きくしておかないと足りない場合があります。
どんな使い方をしたいかでLDKの配置が変わります。
最近の子どもは自分の部屋で勉強する子が少ないと統計がありました。
この統計にもれず、我が家の子たちもリビングかダイニングで勉強をしています。
そんな時に、カウンターコーナーがあると子どもが勉強するのに役立ちます。
子どもが巣立っても自分たちがパソコンや読書などで使うことも出来ます。
そんなに大きくなくても良いので、カウンターコーナーのような場所がとれるように意識をして設計をしています。
大きな家具や冷蔵庫やテレビ、洗濯機などの大きな家電は玄関から搬入できない場合があります。
LDKに搬入できるような大きな窓がないと、使用したい家具や家電が使えないことがあります。
LDK以外にそのような窓があれば不要です。
ただし、一番日当たりが欲しいLDK以外に大きな窓をつけることは、現実ではそんなに多くありません。
和室が必要ない方もみえます。
ただし、畳の匂いやゴロゴロできるのが畳の良い所でもあります。
畳コーナーがあるとくつろぎの場所になります。
余裕があれば設計したいですね。
その他に、将来の親の介護などでご要望される方もみえます。
この場合は、畳コーナーというわけには行きません。
ただし、将来の事なので独立して客間にするような設計はなるべくしません。
リビングやダイニングと一体で使えるように配置します。
そうすることで、LDKと一体で使えます。
将来は扉を閉めて使えば個室になります。
ちなみに、独立していると介護時の手間が増えるそうです。
目が届く範囲の方が少しだけ楽だそうです。
キッチンから洗面、キッチンから脱衣などは、最も行き来が多い場所になることが大半です。
なるべく近くに配置するようにします。
最近では、洗面と脱衣を分けたい方が増えています。
分けたいのか、一緒の方が良いのかヒアリングさせていただきます。
どちらもメリット、デメリットがあります。
更に、作業用のカウンター、収納、室内干しなどご要望が多い場所です。
何を優先するのかも、しっかり聞かせていただきます。
特にご要望がない場合でも収納は造るようにしています。
タオルなどの小物や洗剤、ボディーソープ、シャンプーなどなど閉まっておくものが多い場所ですから…
リビングから直接入るような間取りはしません。
音が響いて家族が不快になります。
なので、トイレまでに最低2枚は扉を挟むような間取りにします。
又、玄関から直接見えるような間取りにはしません。
もし来客があった場合、トイレから出ることが出来なくなってしまいます。
細かい部分では、ペーパーホルダーをリビングや居室に面した側に取付をしません。
意外とペーパーの「カラカラカラ」という音が響いてしまうからです。
トイレは一番音の問題が発生するので、配置には気をつかいます。
トイレにも収納があれば最高ですが、スペースが狭いので最低でも、予備のペーパーや芳香剤など少し物を置いて置けるミニカウンターを造るようにしています。
寝室にはウォークインクローゼットがよいのか、物入が複数ある方が良いのかヒアリングします。
それ以外に持ち込みたい家具などのサイズをお聞きして配置シミュレーションをします。
持ち込み家具がない場合は、必要最低限な家具だけでも配置シミュレーションをしておきます。
夫婦のプライベートを確保したいので、なるべく子ども室とも離して配置するようにします。
離せない場合は廊下や収納などを挟むようにします。
子ども室は最近はかなり小さく設計することが多いです。
リビングで学習する子が多く、寝るだけの部屋になっていることが理由です。
更に、子どもはいずれ巣立つので、広くしなくても問題ない場合が多いです。
趣味の部屋や納戸、書斎などは用途や使い方に応じて配置位置を変えるようにしています。
配置位置によっては使い方が変わってくるので、どのように使いたいかが重要になります。
階段は家族とのコミュニケーションが増えるようにリビング階段とするか、リビングを通ってからの階段にすることが多いです。
玄関ホールに階段を設けてしまうと子ども達がLDKを通らずに、2階に行けてしまいます。
更には、玄関の項目で書いた風除室的な配置が難しくなります。
玄関が開くたびに夏の熱気、冬の冷気が階段を通して、2階まであがってしまいます。
そして、階段のあがりきる方向にも注意しています。
あがった先が住宅の端になるような階段配置はしません。
理由としては、あがった先が家の端になると2階の廊下が長くなります。
廊下を短く出来るような階段配置を心がけています。
廊下には物入を設けるようにしています。
季節物や家族の共用のものなどを入れておくのに便利です。
窓の位置を揃えることを意識しています。
1階と2階の窓ラインを揃えると綺麗にみえます。
更に、住宅を地震に強くする耐力壁と呼ばれる壁が、1階と2階で揃えることができます。
耐力壁を揃えておくと、より地震に有効に働きます。
ファサードという住宅がよく見える面はデザインも頑張ります。
ただし、デザインをよくするためだけの凹凸は、雨漏りや空調の効き方にも影響をするので無理には造りません。
駐車場は住宅の間取りを描く前に一番最初に計画をします。
将来的に車を買い替えるので、最大の大きさで問題なく降車できるかも検討します。
玄関ポーチが雨に濡れないように庇を設けたり、玄関位置を引っ込めたりする設計を必ずします。
玄関ではドアを開ける為に少なからず停止するので、雨に濡れない措置は必須です。
許容応力度計算での耐震等級3と耐風等級2がとれるように壁を増やします。
その上で、住宅内はなるべく引戸にします。
玄関だけはドアを採用することが多いです。
引戸は気密と断熱性能が弱いので、すき間風が入ってきたりと温熱環境の弱点になる場合が多いことが理由です。
基本的な考え方の3.でも描いたのですが、東西北面の窓は小さくします。
最近は、トイレやお風呂の窓を無くしてくださいとのご要望も多いですが、基本的には窓をつけます。
昼間に電気をつけなくても生活できるように意識しています。
いかがでしたでしょうか?
間取りを考える時の私のルールでした。
共感できる部分や共感できないこともあるかと思います。
共感できない部分はご要望として挙げていただけたら、間取りに反映いたします。
私のルールが全て正しいわけではありませんし、数年後に時代が変われば間取りも変わってきてルールも変わってくると思います。
臨機応変に時代に合わせる部分は合わせて、普遍な部分は変わらずに進めていこうと思っています。
目次
ワダハウジング和田製材株式会社
・一級建築士
・一級建築施工管理技士
・一般社団法人みんなの住宅研究所会員(会員番号:200019)
纐纈和正
家づくりは人生のうち一度あるかどうか。
どんな家がいいか、お金のこと、土地のことなど、わからないことだらけなのが当たり前です。
みなさん同じです。そういった場合は、まず専門家に聞きましょう。
ご来店またはホームページ、インスタDMなど、
お客様の使いやすい方法でご質問ください。
私たち住まいのプロが、お客様の疑問や不安に正直にお答えいたします。
しつこい営業は致しませんので、その点もご安心ください。
家を考え出す時は、まずは、イメージやデザインから興味を持たれる方が大半です。
しかし、家はイメージだけで決めてはいけません。
健康に快適な毎日を過ごすための確かな品質があってこそのものです。
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