2024.12.01
こんにちは!
ワダハウジングの纐纈です。
本日もマニアックな話で雨漏りについて説明していきたいと思います。
「雨漏り」とは、雨水が建物の外から室内へ雨水が浸入することを言います。
「雨漏り」とよく間違われる「水漏れ」は内と外にかかわらずキッチンなどの配管やトイレなどの排水設備などの劣化や工事ミスにより起こる水のトラブルを言います。
「雨漏り」は雨漏り修理業者や外壁、屋根などの工事業者が専門。
「水漏れ」の場合は水道設備業者が専門になります。
新築住宅を建てる時には、瑕疵担保責任が発生します。
瑕疵担保責任とは、新築住宅に許容できない欠陥や不具合などがあった場合に、新築住宅を建てた会社が責任を持って対応することが定められています。
2020年4月の民法改正により、「新築住宅における構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分に対する瑕疵担保責任期間を引き渡しの日から10 年以上」と定められています。
雨水もしくは雨がかかる部分(雨がかりと呼びます)は、大きく3 つに分類されます。
ひとつが「直接降りかかる雨水」、次に「地面や屋根面から跳ね返る雨水」、そして「表面を伝わって室内に回り込む雨水」です。
直接の雨には、軒の出をできるだけ大きくとることが基本的な対策となります。
ただし、軒や庇の高さが3mを超えてくるとその効果が小さくなります。
軒や庇の高さを低めに抑えることも大事になります。
窓の場合、冬に陽射しを取り込みつつ、雨を防ぐには窓の高さが10としたら長さが3ほどある庇がバランスがよいです。
最近、流行している軒がない新築住宅は、直接降りかかる雨水が増えるので雨漏りのリスクが高くなっています。
適切に工事をすれば大丈夫ですが、ここ最近のスーパー台風などは過去にない風速、風雨を記録しています。
軒がない部分に許容を超える雨が当たってしまったら、雨漏りする可能性が高くなります。
よって、最近は軒の出がない設計を極力しないように注意しています。
雨樋が普及していなかった昔は、雨落ち(あまおち)と呼ばれる軒先の下に砂利などを敷き詰めて跳ね返りを防ぐ方法が用いられていました。
現代では雨樋によって雨水を適切に、道路の側溝などへ流すことが出来るようになっています。
しかし、雨樋だけでは完全に防ぐことはできません。
跳ね返り面の表面を砂利や人工芝にして跳ね返りしにくくしたり、新築住宅の壁面を跳ね返りがある範囲から遠ざけるために、軒の出や庇を長めに設けたり、基礎の高さを高くすることも有効です。
軒や庇で雨水のかかる最大量を減らすことも対策のひとつとなります。
雨仕舞で雨水浸入を防ぐことが必要となります。
中でも新築住宅の端部や1階と2階の取り合い部分や壁と基礎の間などに、水を切るための部材を適切に設置することで、雨水が新築住宅の内部へ入ることを防げます。
このような部材の機能は3つあります。
①雨水の流れを不具合が起きない方向に移動させる。
②外壁表面から流れる雨水が室内へ回り込むのを防ぐ。
③外壁材裏面に入ってしまっても流れる雨水を受け止めて外に排出する。
となります。
新築住宅の構法や、外壁材の種類、施工方法によって適切な部材の選択と施工を行うことが最も大切です。
これらの部材には「通気層」とよばれる空気が通る機能が付いたものが多数あります。
雨仕舞とは別の方法ですが、これらの部材を用いることにより雨仕舞で防ぎきれなかった雨水の室内への浸入を防ぐことができます。
その他、雨水による影響としては「すが漏れ」というものがあります。
「すが」とは東北地方の方言で「氷」という意味です。
氷や雪が屋根に積もり、そこから水漏れが起こる現象を「すが漏れ」と言います。
すが漏れの基本は、屋根などに積もった雪が暖房などの熱により溶けて軒先へ流れこみ、気温が低い外気に触れることで再凍結して堤防のように氷を形成します。
再凍結した氷が水を妨げることで、その氷の手前が水たまりのようになってしまいます。
その水が屋根材の隙間を通って室内側に浸入することによって、すが漏れが起きます。
屋根もしくは天井に断熱材があると雪が解けるのを極力防げるので、すが漏れを回避できる可能性が高くなります。
断熱材は夏の暑さ、冬の寒さだけでなく、雪に対する雨漏れに対しても有効です。
ただし雪は、陽射しによっても溶け出すので、軒先から1m程度の範囲については、金属板や厚手の防水シートを用いるなど防水性を強化することも対策になります。
最後に同じ雨水でも新築住宅の完成や新築住宅の上棟前に雨が降った場合について取り上げたいと思います。
基礎のコンクリート、外壁のモルタル下地、木材などの新築住宅の材料には、完成時点で含まれている水分を初期水分といいます。
この水分が長期にわたって滞留するとカビや結露の原因となります。
特に木材の場合、繊維飽和点以上の水分が入った状態が続くと腐朽のリスクが増してしまいます。
中でも工事中に雨が降って濡れたが、工程上の都合などにより見過ごされてしまうことが見受けられます。
木材の切った断面(小口)や柱や梁を組み立てる際に差し込むホゾ穴や蟻掛け加工などからは、想像以上の雨水が浸入してしまいます。
また接着剤を多用している構造用合板や集成材では、一旦浸入した水分はなかなか抜けません。
その結果木材は長期にわたって水分が入った状態におかれることとなり、反り曲がりなどの不具合の原因となります。
反りや曲がりだけならまだいいですが、カビやダニの発生、腐朽菌によって木材が腐ってしまうことも考えられます。
こちらを防ぐためには、雨に濡れさせない事が対策になります。
具体的には、上棟後はブルーシートなどで新築住宅を覆うこと。
もし、雨に濡れてしまったらよく乾燥させることが大事になります。
雨が降った翌日にはブルーシートを外す、夕方作業が終わったらブルーシートを戻す。
単純なことですが、とても効果があります。
水分をスムーズに乾燥させるため、外壁通気工法などにより、できるだけ早く木材を乾燥状態にさせることも大事になります。
1.雨が室内に侵入しないようにする。
2.万が一に雨が入っても雨が抜ける道をつくっておく。
3.工事中は雨に濡れさせない。
4.工事中に雨に濡れたらよく乾燥させる。
5.完成後も木材の水分が抜けるように空気が流れるように通気をとる。
これ以外にもいろいろな工法がありますが、基本を押さえておくことが大事だと思います。
ワダハウジングではこの基本に沿って現場で作業をしています。
ワダハウジング和田製材株式会社
・一級建築士
・一級建築施工管理技士
・一般社団法人みんなの住宅研究所会員(会員番号:200019)
纐纈和正
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