2024.03.16
心地よさの秘密は照明!照明のあり方を変えることで住宅が居心地よくなります!
ワダハウジングの纐纈です。
大きな窓、たくさんの窓、昼も夜も明るくしたい!
このような要望は多々あります。
果たしてこれが住む人にとって本当にいいことなのか?と思ったりします。
要望を叶えることも大事ですが、それ以上に住む人が心地いいと感じてもらうことに重きをおきたいと常々思っています。
天井の真ん中に照明をつけるのが当たり前?
ヨーロッパなどの海外へ行くと、特に照明のあり方に感心させられます。
日本の住宅は灯りの空間が貧弱と指摘されたりします。
特に天井の真ん中に、UFOみたいな照明がついている事はありません。
明るすぎない空間、低い位置にある灯りの文化があるんだと感心させられます。
明るい家にしたい!
多くのお客様は明るい家にしたいと要望を持っています。
ご要望とあれば、お聞きします。
その際は自分の経験を提供させて頂きます。
普段からプロとしてのスキルを磨くようにしています。
そこで得た見識を伝えさせて頂きます。
家全体を明るくしなくても、必要なところを必要なだけ明るくするのが一番だと考えます。
東日本大震災による計画停電で駅や街が少し暗くなった事がありました。
その時に「これぐらいの明るさでちょうどよい」との声が多くあったようです。
照明計画が大事
私たちは、なるべく照明の数が少なくなるようにしています。
数が少なくなれば、その分価格を抑えることができますし…
数が少なくて本当に大丈夫?とよく聞かれます。
大丈夫です。
ちゃんと秘密があります。
プライベートな部屋や廊下などは、天井の高さを低めに設定しています。
天井が高い部屋に比べて照明の数が少なくても距離が近くなるので大丈夫です。
明るさは、距離の二乗に反比例するので、低いほうが有利になります。
リビングなどの人が集まる場所は天井を高くしますが、器具選びに注意をしています。
写真のように天井が高くても、照明器具は6灯だけです。
これでも十分明るいです。
外部の照明も需要です。
防犯対策になります。
夏の夜にウッドデッキで涼みながらビールなんてのも粋ですね。
夏だけでなく外にも照明があればデッキや庭の活用方法も変わってきます。
シーリングライトを使わない
よほど強い要望がない限り、部屋にシーリング照明を使用しません。
シーリングライトを使わないだけで、部屋の雰囲気がグッと良くなり、居心地の良さに繋がります。
理由はシーリングライトは光影のメリハリができないため、光の逃げ場が生まれません。
そのため、部屋全体が明るくなるものの、オフィスのような雰囲気に仕上がってしまうのです。
オフィスで心地よさを感じるのはなかなか難しいと思います。
居心地のよい空間にするには光と影をうまく使うことにあります。
明るすぎても暗すぎても居心地の良さにつながりません。
居心地の良い空間にするには?
これが非常に難しくとても悩みます。
必殺技はないのですが、長年の経験から2つの方法が有効であると感じています。
1.灯りの重心を低くする
なるべく自分たちの目線近くに配置すると少ない照明でも明るく感じます。
ペンダントライトなどが使いやすいです。
もしくは、造作家具にして間接照明なども重心が低くなります。
間接照明は値段が上がってしまいますが…
2.天井の照明を少なくする(小さくする)
天井の照明の数を減らすと空間がスッキリします。
その器具も出っ張りがなく小さいものなら視線の邪魔になりません。
落ち着きのある空間にするには余分なものを減らす必要があります。
欲しいのは「灯り」であり「照明器具」ではないはずです。
夜になっても昼間のように明るいインテリアは空間の心地よさ、照明の温かさと落ち着きに反比例しているなと感じています。
だまされたと思って少し照明の数を減らしてみてください。
落ち着いた空間になると感じています。
ワダハウジング和田製材株式会社
・一級建築士
・一級建築施工管理技士
・省エネ建築診断士(エキスパート)
・住宅外皮マイスター
・既存住宅状況調査技術者
・一般社団法人みんなの住宅研究所会員(会員番号:200019)
纐纈和正