2025.01.07
新築住宅のメンテナンス講座「木材・床の傷補修編」
新築住宅で長く過ごしていると、室内の床やドア枠などに、傷が付いてしまう事もあります。
気になるけどメンテンンスの方法が分からない事も、そんな傷などを手軽にできる範囲で、分かりにくくする方法を紹介して行きます。
※あまりマット(ツヤのない1色)な仕上げの材料は、補修後に目立つ事も。
目次
メンテナンスで使う材料は、主に4種類
1.「補修用クレヨン」熱で溶ける固形顔料(やや、お手軽)
ハードとソフトの2種類があり、専用の電気コテやドライヤーで溶かして使います。
違いは熱で溶ける温度です。
ソフトタイプは溶けやすく、夏場の温度で溶けて混ざった事があるので、色ごとに分けられるケースでの保管がオススメです。
床などの触りやすい所にはハードタイプを使い、高くて触らない所などはソフトタイプを使います。
ソフトは色合わせ等にも使います。
様々な色があり、良く使う色は、ナチュラル(クリア)・ライトオーク・ミディアムブラウン・ダークブラウンの4種類です。
色合わせ用にホワイトやブラックを使う事もあります。
ホームセンター(ハードとソフトのどちらもあります)や、100円均一(ソフトが多い)でも手軽に購入出来ます。
2.「補修用のタッチアップペン」色付け用の液体顔料のペン(お手軽)
浅い擦り傷(白くなった所)の補修や、補修後の木目書き(模様付け)に使用します。
補修用のペンは、ホームセンター(種類多め)や、100円均一(種類少なめ)で手軽に購入出来ます。
3.「ウッドパテ」白木補修用の穴埋め材(場所によっては、お手軽)
タモ白(乳白色)とラワン(茶色)の色の2種類で、白木(ツヤ塗装のない木材)の補修に使います。
ホームセンターで購入できます。
4.「お湯と布」(お手軽)
白木(ツヤ塗装のない、やわらかい木材)の凹みに染み込ませて、膨らませる時に使います。
補修の仕方は傷の種類と、傷のついた材料で方法が変わります。
表面から水が染み込む木材のメンテナンス方法
オイル浸透仕上げのムク床や、和室材などの木材の補修方法について。
「凹み傷」木の種類によって膨らみ具合は変わりますが、凹み傷をお湯で膨らませて、凹みを少なくする方法で補修。
「擦り傷」オイル塗装の硬いムク床に付いた白く薄い擦り傷は、床よりも薄い色のペンで傷をなぞり補修します。
消えない場合は傷の周りを目の細かいヤスリでなだらかにして、クリア等のペンで濡れた色(塗装された色)に近づけて分かりにくくします。
「深い凹み傷」は、ウッドパテに色が合う場合は凹みを埋めて補修。
※パテは乾燥させると色が変わる為、乾燥させた物と見比べて使用する。
色が合わない場合は、ツヤありの床と同じ様に補修用のクレヨン(ハード)で色を作り、周りを汚さない様に埋めて直します。
補修後はツヤ合わせの為、目の細かいヤスリでなでて完了です。
※難しい場合は、専門の業者に依頼しての補修になります。
表面から水が染み込まない木材のメンテンス方法
ワックスなどのツヤがある表面塗装の木材や、木の粉を固めてフィルムで覆ったMDF材などの深い傷は補修用のクレヨンを使い埋めて行きます。
※塗膜やシートの下に水分が染み込むと、表面の剥がれに繋がる事がある為。
周りの色に合わせる様にハードクレヨンを電気コテやドライヤーなどで溶かし、薄い色から調色。(混ぜて色作り)
凹みに電気コテや道具を使い溶かして埋めて、硬化後にクレヨンがはみ出した所を削り取り平らに仕上げます。
その際には周りを汚さない様、道具に付いたクレヨンを掃除しながら行います。
薄黄色(ナチュラル)や、こげ茶、茶色などの床や枠材は色が作りやすいです。
埋める色は少し薄い色か同系色をベースにして補修。
色合わせや木目のある材料には、補修後にタッチアップペンで木目などを書き足して馴染ませます。
上級編では木目に合わせて凹みを少し加工し、濃淡の色をまだらに混ぜて木目を作る・木の節に見える様にするなど、場所に合わせて補修を行う事があります。
ツヤが薄い物の場合は、しっかりと固まってから目の細かいヤスリ(800~1000ぐらいの物)やツヤスプレーなどで光り具合を調整して完了です。
補修時は周りを汚さず傷つけない様に、気を付けましょう。
床材の表面についた薄い擦り傷などは、補修用の色付けペンで周りの近い色に馴染ませていきます。
※難しい場合は、専門の業者に依頼しての補修になります。
番外編:レールなどの金属塗装のメンテナンス方法
実は自動車用のタッチアップペンを使います。
金属レールの良くある色は、シルバー(無塗装)・ブロンズ・木目・白・黒など様々。
ホームセンターでは様々な色の種類が売っている為、補修箇所に合わせた色を準備します。
白の場合はホワイトや乳白(アイボリー)等、材料に合わせた物を使用して、乾燥させながら軽く触る程度に何度か薄塗りをするとほぼ分からなくなります。
欲張らずに、薄塗りして行くのが綺麗にするコツです。
色さえ合えばフィルムを貼った材料の傷を直す際にも使用できます。
最後に傷の補修についての考え方
生活している中で、目立ちにくい傷なら触らないのも一つです。
なぜなら、光が色んな方向から入る所は反射で補修箇所が悪目立ちする事もあるからです。
それと生活の中でいつか付く物を気にしすぎて、家族との関係がぎくしゃくするよりも「あの時やっちゃったね」ぐらいの気持ちで、思い出として日々をすごす方が気持ち的にも楽になります。
あくまで補修をするなら、遠くから見て分かりにくくする気持ちで、自分が納得できる範囲を広くして行いましょう。
土岐市で新築住宅のメンテナンスをするなら
ワダハウジング和田製材株式会社
・二級施工管理技士
・福祉住環境コーディネーター2級
植松達矢
2023.07.07初稿
2025.01.07改修