2024.10.16
こんにちは!
ワダハウジングの纐纈です。
最近は、高気密高断熱住宅の普及が進んでいます。
私の描く間取り(プラン)も内部空間に仕切りを極力設けない、開放的なプランニングが多くなってきています。
断熱技術の発達にともない、リビングを吹き抜けにした大空間を造っても夏暑くなく、冬寒くない住宅を造ることが可能です。
また、2階にLDK を配置することで隣と近い場合でも自然の光が取り込めたりします。
その他に、天井を勾配天井としたり、小屋裏空間の有効活用で小屋裏収納を設けることもできます。
それに伴い住宅の耐久性に大きく影響する通気や換気が上手く出来ない可能性が高くなっています。
勾配天井にする場合、「天井断熱」ではなく、「屋根断熱」あるいはそれに近い場所に断熱材を敷き込むもしくは貼り付けをすることになります。
特に「屋根断熱」では通気層を確保して換気をすることが住宅の耐久性にとって重要なポイントとなります。
住宅金融支援機構のホームページで耐久性基準を調べると、「屋根断熱工法の場合は小屋裏換気孔を設置しないこととする」と記載されています。
屋根断熱とした場合は、一般に言う「小屋裏」は室内になります。
天井断熱とした場合は、「小屋裏」は室外になります。
屋根断熱の小屋裏に換気金物などを設けて通気層をとると、せっかく断熱をしたのに夏の暑さや冬の寒さが直接小屋裏に入ってきてしまいます。
しかし屋根の下地となる合板や垂木と呼ばれる木材も断熱材に覆われて通気層に接する面積が少なくなります。
そこに万が一水分や湿気が入ってしまうと、逃げ道がなくなり、屋根下地や構造材の劣化を早めてしまう可能性があります。
断熱する部分の内側の高気密化は断熱性能を発揮するのに必要です。
そこに隣接する構造部分の通気層や換気金物の設置には細心の注意が必要です。
通気層や換気金物は基本的に穴が空いている状態なので、取付位置を間違えると気密が悪くなります。
取付位置を設計段階から考慮しておく必要があります。
設計で取付位置を決めたら、工事にも注意が必要です。
まずは工事期間中の雨がかりを極力防ぎ、完成後も水分の侵入や結露を極力防ぐ必要があります。
そして侵入した水分や湿気を乾燥もしくは外部に排出する経路を確保しておくことも大事です。
実際の住宅現場の環境や住まう人の暮らし方によっても限界があります。
完璧に水分を取り除いた状況で住宅建て、なおかつ水分を取り除いた状態で生活することは困難を極めます。
その状況から構造体を劣化させないためには、通気層や換気金物を設けて水分を室外に排出することが基本になります。
通気層を確保したら、空気の流れを作るために、小屋裏空間で最も高い位置にある棟部分に換気棟を設置することで排出させることが一般的です。
棟の長さが限られた屋根で換気棟を設置することが困難な場合には、屋根面から排出する換気部材が用いられることがあります。
屋根の仕上げ材の種類によって用いられる換気部材はかなりの種類があります。
たとえば方形屋根や寄棟屋根などの棟が短い場合は換気棟を設置できないこともあります。
その場合は、屋根面から換気を行うために換気部材を屋根材の上に露出させて設置する方法があります。
上記画像はTOKOさんの方形換気部材
屋根面に露出させて設置する場合は、場所の自由度が高いのが特徴です。
ただし、換気金物が目立つため住宅のデザインに影響があります。
又、外部に露出しているので雨漏りのリスクが少し高くなります。
瓦屋根の場合、瓦と屋根下地の合板の間にすき間が出来ます。
そのすき間を利用して、そこに納まる換気部材がを使用することもあります。
この部材は、換気金物が瓦の下に隠れるので、すっきりした見た目になり、デザインもよく防水性も比較的確保しやすいメリットがあります。
その他に屋根換気とは違う方法となりますが、棟が短い寄棟屋根や方形屋根の場合、隅棟という棟があります。
この隅棟に取り付けられる換気金物などもあります。
屋根断熱が悪いわけではありません。
屋根断熱は小屋裏空間を利用できるすばらしい工法です。
勾配天井にも向いています。
温暖化が進み、湿度がどんどん高くなっている現在にはむしろ適しているかも知れません。
耐久性を考慮してしっかり設計を行い、適切な換気金物で通気層を確保して、確実に施工をすることが大事になります。
見た目、デザインが悪いからと換気金物を使用しないと住宅の耐久性が低下することがあるので、注意してください。
適切に換気金物を設置できれば屋根断熱は素晴らしい工法だと思います。
ワダハウジング和田製材株式会社
・一級建築士
・一級建築施工管理技士
・一般社団法人みんなの住宅研究所会員(会員番号:200019)
纐纈和正
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